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口頭

ITERにおける中性子計測を用いた燃料比測定法の開発

岡田 耕一; 近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 今野 力; 西谷 健夫; 野村 健*; 岡本 敦*; 北島 純男*; 笹尾 真実子*

no journal, , 

ITERにおいて、燃焼領域中心の$$n_{mathrm{d}}$$/$$n_{mathrm{t}}$$燃料イオン比を測定することが求められている。燃料イオン比を測定するための一つの方法としてDT/DD反応比を利用したものがあり、われわれは中性子計測を用いて反応比を求めることを目標としている。本報告では、燃料比測定を目的とした中性子計測システムに対して要求される性能についての検討に対する報告を行う。計測器としては2結晶型のTOFスペクトロメータを採用した。ITERをモデル化し、プラズマでの中性子発生数から計測器への入射中性子数を求め、第1検出器の飽和が起こらない条件を導いた。また、燃焼制御のサポートを目的としていることから、100ms以内に統計精度10%を得ることを目標とし、それに合うような計数効率の条件、つまり、第1検出器に入射した中性子数に対するTOFスペクトロメータとしての計数の割合が要求に見合うような条件も導いた。モンテカルロコード(MCNP)を用いてTOFスペクトロメータで用いる検出器の配置の変化による計数効率への影響を調べ、上記2つの条件と合わせて検討した。

口頭

La$$_{2-x}$$Sr$$_x$$CuO$$_4$$斜め非整合磁気相における磁気励起

松田 雅昌; 脇本 秀一; 藤田 全基*; 山田 和芳*

no journal, , 

銅酸化物高温超伝導体の大きな特徴の一つとして、電気伝導と磁性が密接に関係していることが挙げられる。超伝導発現機構の解明にはこの関係を明らかにすることが不可欠であり、実験,理論両面からの広範囲な研究が行われている。われわれは、絶縁体-超伝導体転移を起こす境界領域のスピン相関(斜め非整合スピン相関)を詳細に理解するために、La$$_{2-x}$$Sr$$_x$$CuO$$_4$$低ホール濃度領域での中性子散乱実験を行っている。第一の興味は、斜め非整合スピン相におけるスピン相関が、電荷秩序を伴うストライプ秩序に起因するのか、純粋に磁気的なスパイラルスピン秩序に起因するかどうかである。このことを調べるために不純物効果の実験を行い、ストライプモデルがより適切であるという結果を得た。第二の興味は、磁気励起がニッケル酸化物におけるように通常のスピン波か、超伝導相で見られる砂時計型であるかどうかである。このことを調べるために磁気励起の詳細な測定を行ったところ、砂時計型であることを示唆する結果を得た。これらの結果は、銅酸化物高温超伝導における磁性の役割を明らかにするうえで重要である。

口頭

多重極電磁石を用いたイオンビーム均一照射法と2次元強度分布計測法の開発

百合 庸介; 上松 敬; 荒川 和夫; 石堀 郁夫; 神谷 富裕; 柏木 啓次; 倉島 俊; 宮脇 信正; 奈良 孝幸; 奥村 進; et al.

no journal, , 

ビーム輸送系において運動する荷電粒子ビームに多重極磁場を作用させることによってターゲットにおける横方向強度分布を均一化することが可能である。この原理を利用して、TIARAのAVFサイクロトロン施設ではイオンビーム照射技術の高度化のために、多重極電磁石を用いた均一照射法の開発を行っている。サイクロトロン引き出しビームラインのターゲット上で大面積均一ビームを形成するために、多重極電磁石を含むビーム光学系を最適化し、ガウス分布であるビームを2次元均一分布に変換できることを理論的に確認した。また、実際的なビーム条件を想定したシミュレーションを行い、運動量分散や色収差など現実の輸送系やビームが有する性質が均一照射に及ぼす影響を明らかにした。さらに、均一度測定に必要となる技術開発として行った、GAFフィルム線量計を用いた2次元強度分布計測についても述べる。

口頭

混合スピン量子フェリ磁性鎖のスピンフロップ転移

坂井 徹; 岡本 清美*; 利根川 孝*

no journal, , 

容易軸タイプの異方性を持つスピン1と2の混合スピン量子フェリ磁性鎖の磁化過程を、数値対角化とDMRGで理論的に解析した結果、従来のスピンフロップ転移の代わりに、二つの朝永・ラッティンジャー液体間の磁場誘起量子相転移が起きることがわかった。

口頭

YVO$$_3$$の共鳴非弾性X線散乱実験

池内 和彦; 佐藤 智宏; 石井 賢司; 稲見 俊哉; 水木 純一郎; 備前 大輔*; 村上 洋一; 宮坂 茂樹*; 藤岡 淳*; 十倉 好紀*

no journal, , 

放射光X線を用いたX線共鳴非弾性散乱実験をバナジウムのK吸収端について行い、Mott絶縁体として知られるYVO$$_3$$のMottギャップの観測を行った。さらに、MottギャップのQ-依存性を測定した。また、200K程度以下で軌道秩序を示す本系について、共鳴非弾性スペクトルの偏光依存性を測定した。測定は軌道秩序のない室温で行ったが、Mottギャップ付近の励起に顕著な偏光依存性が確認できた。

口頭

単一成分分子性金属Ni(tmdt)$$_2$$及びAu(tmdt)$$_2$$の電子状態

妹尾 仁嗣; 岡野 芳則*; 石橋 章司*; 小林 速男*; 福山 秀敏*; 小林 昭子*

no journal, , 

単一成分分子性金属Ni(tmdt)$$_2$$及びAu(tmdt)$$_2$$の電子状態を理論的に調べる。フェルミ面近傍に寄与する「分子内の結合性/反結合性」的な分子軌道から、tmdt及び金属の軌道に「分解」した有効強束縛模型を、拡張ヒュッケル計算をもとに構築する。また電子相関の効果を導入し、可能なスピン/電荷秩序状態を平均場近似によって探り、特にAu(tmdt)$$_2$$で観測されている磁気秩序と比較する。

口頭

LaをドープしたBiFeO$$_3$$の相転移降下

米田 安宏; 吉井 賢資; 齋藤 寛之; 水木 純一郎

no journal, , 

BiFeO$$_3$$はLaをドープすることによって大きく相転移が降下するとされてきたが、実際に作製してみると、相転移近傍における振る舞いは作製条件によって大きく異なることがわかった。Pair-distribution functionを用いた構造解析から、相転移が降下すると考えられていた異常はイオンサイズ効果による新たな相転移であることがわかった。

口頭

超高圧下の水の第一原理分子動力学シミュレーション,3

池田 隆司

no journal, , 

近年、高圧下の水に関する研究が国内外で活発に行われている。水は、常温常圧下では隙間の多い疎な構造を持つが、加圧により密な構造へと変化することが期待される。前回、前々回の日本物理学会では、第一原理分子動力学を用いて、温度,圧力を常温常圧から融解曲線に沿って850K,17GPaまで昇温,加圧したシミュレーションの結果を報告した。今回は、密度を一定に保ち700Kまで温度を変えたシミュレーションを実行し、水の構造とダイナミクスに対する温度効果と圧力効果を詳細に検討した結果を報告する。

口頭

PbF$$_{2}$$の散漫散乱

Xianglian*; Basar, K.*; Sainer, S.*; 大原 宏太*; 佐久間 隆*; 高橋 東之*; 井川 直樹; 石井 慶信

no journal, , 

室温で斜方構造を持つ超イオン電導体$$alpha$$-PbF$$_{2}$$のX線及び中性子回折実験を行い、散漫散乱の振動的な部分に最も関与している原子の相関効果を検討した。散漫散乱強度の理論式に4.3Aまでの原子間相関効果を取り入れて解析した結果、温度294K及び15Kにおける散漫強度散乱強度差において生じる振動的な形状は、X線回折の場合はおもにPb-Pb原子間の熱相関効果によって決まり、中性子回折の場合はPb-FとPb-Pb原子間の熱振動による相関効果で決まることがわかった。

口頭

協同トムソン散乱による燃焼プラズマのアルファ粒子計測開発

近藤 貴; 林 利光; 河野 康則; 草間 義紀; 杉江 達夫

no journal, , 

国際熱核融合実験炉(ITER)の燃焼プラズマにおいて、核融合反応で発生する$$alpha$$粒子のプラズマ中の空間分布と速度分布計測は、燃焼プラズマの物理現象の理解と燃焼制御のために不可欠である。しかし決定的な計測法は未だなく、開発が必要とされていた。そこで、炭酸ガスレーザーを光源とした協同トムソン散乱計測によるアルファ粒子計測法の開発を進めてきた。(1)工業用レーザーをもとに大出力・高繰返しパルス炭酸ガスレーザーを開発し、出力エネルギー17J,繰り返し周期15Hzのシングルモード出力を実現し、ITERの$$alpha$$粒子計測用レーザーを実現できる見通しが得られた。(2)遠赤外ヘテロダイン検出器とデータ収集システムを開発し、散乱スペクトル計測に必要となる広帯域の受信システムを構築した。(3)散乱周波数が同程度である、高速$$alpha$$粒子と中性粒子ビーム入射による高速イオンを分離して計測する手法の提案とITERにおける計測システムの概念設計を行った。今後JT-60Uにおいて計測に最適化されたプラズマにレーザーを入射して実証実験を進める。また、ITERの$$alpha$$粒子計測に必要となるレーザー性能を得るための改造設計を行う。

口頭

逆転配置型中性子非弾性散乱装置DIANAのエネルギー分解能関数の検討

柴田 薫; 高橋 伸明; 佐藤 卓*; 川北 至信*; 中島 健次; 新井 正敏; Mezei, F.*

no journal, , 

J-PARC/MLFに設置が計画されている逆転配置型分光器(DIANA)は非結合型ノンポイゾン減速材を線源とし、飛行距離32mを有する装置として検討が進められてきた。MLF施設中性子源には非結合型減速材のほかにも、結合型減速材や非結合型ポイゾン減速材の設置が計画されている。今回われわれは、同タイプの分光器で強度を重要視した条件で最適な線源を明らかにするため、各減速材を線源としたときに期待される装置性能を計算機シミュレーションなどにより再評価した。また、検討の結果得られたパルス関数の影響を受けた非対称な裾野を引く分解能関数を持つ測定スペクトルから、MEM等のデコンボリューション解析手段を用いてもとのスペクトルがどの程度再現可能か検討を行っている。講演では、MLF施設中性子源に設置が計画されているほかの非弾性散乱分光器との性能比較を予定している。

口頭

3次元中性子偏極解析法によるCr(001)/Sn人工格子の磁気構造解析と波長不連続転移

武田 全康; 加倉井 和久; 壬生 攻*

no journal, , 

非磁性原子であるSnの単原子層を周期的に挿入したCr(001)/Sn多層膜では、Cr元素が固有に持つフェルミ面のネスティング効果と、Snを挿入したことによる人工的な周期的境界条件との競合によってバルクとは異なるスピン密度波(SDW)が誘起される。この磁気構造を3次元中性子偏極解析装置を用いて解析した結果と、SDWの波長が温度によって不連続に変化する現象について報告する。

口頭

反射高速陽電子回折によるIn/Si(111)表面構造相転移の研究

橋本 美絵; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦

no journal, , 

In/Si(111)-4$$times$$1表面は、擬1次元金属鎖を形成し130K程度で電荷密度波の形成を伴うパイエルス転移を起こすと考えられている。しかしながら、低温相であるIn/Si(111)-8$$times$$2構造の原子配置やその相転移のメカニズムについては、実験手法によって結論も異なるため、まだ解明されていない。前回、一波条件でのRHEPDロッキング曲線の測定結果から、相転移前後において、In原子の表面垂直位置は変化しないことを明らかにした。今回、超格子スポットを含むRHEPDパターンの測定に成功した。またロッキング曲線の解析を行い、相転移前後における擬1次元金属鎖の表面平行方向の原子変位について報告する。

口頭

プルトニウム酸化物PuO$$_2$$の電子状態のNMRによる研究

徳永 陽; 芳賀 芳範; 酒井 宏典; 神戸 振作; 本間 佳哉*; 青木 大*; 藤本 達也; 池田 修悟; 松田 達磨; 山本 悦嗣; et al.

no journal, , 

原子力燃料としても知られる二酸化アクチノイドAnO$$_2$$(An=U, Np, Pu等)はすべて同じ蛍石構造を持つが、その結晶場基底状態は5f電子数の違いにより異なっており、その結果、低温でさまざまな磁気状態が出現する。われわれはこれまでUO$$_2$$及びNpO$$_2$$において核磁気共鳴(NMR)測定を実施し、微視的観点からその電子状態を明らかにしてきた。現在は、AnO$$_2$$の電子状態の系統的な理解を進めるため、PuO$$_2$$$$^{17}$$O核NMR研究に着手している。当日はNMRの結果を比較しながら、PuO$$_2$$の電子状態について議論する。

口頭

反射高速陽電子回折によるPb/Ge(111)表面の構造と相転移の研究

深谷 有喜; 橋本 美絵; 河裾 厚男; 一宮 彪彦

no journal, , 

Ge(111)表面上に1/3原子層の鉛原子を吸着させると、室温において$$sqrt{3}timessqrt{3}$$構造を形成する。この$$sqrt{3}timessqrt{3}$$構造は、220K以下で3$$times$$3構造へと相転移する。Pb/Ge(111)表面の相転移は、これまでに実験,理論の両面から詳細に調べられてきているが、未だにわかっていない。本研究では、反射高速陽電子回折(RHEPD)の最表面構造敏感性を利用し、相転移前後の表面構造決定から、3$$times$$3-$$sqrt{3}timessqrt{3}$$構造相転移のメカニズムについて調べた。110Kと室温でロッキング曲線を測定したところ、温度の違いによる曲線の明確な差異は見られなかった。この結果は、Pb原子の平衡位置が3$$times$$3相と$$sqrt{3}timessqrt{3}$$相で同じであることを意味している。したがって、Pb/Ge(111)表面構造相転移は、高温相において熱的に揺らいでいるPb原子が、低温相において凍結する、秩序・無秩序型の相転移であると考えられる。RHEPD強度の温度依存性の測定と動力学的回折理論に基づく強度解析から、Pb/Ge(111)表面構造相転移のメカニズムの詳細について報告する。

口頭

NpFeGa$$_5$$の磁気秩序状態のNMR

神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; 藤本 達也; 青木 大*; 本間 佳哉*; 芳賀 芳範; Walstedt, R. E.*; 大貫 惇睦*

no journal, , 

NpFeGa$$_5$$の磁気秩序状態について議論する。この化合物ではT$$_N$$=116Kで反強磁性状態になり、T*=80Kで新たな相転移があるが、この低温秩序相は未だに不明なところが多い。本研究では秩序相でGa-NMRを行った。T$$_N$$とT*の間のNMRスペクトルは、中性子散乱によって決定されたQ=(1/2,1/2,0)で秩序モーメントが[110]方向を向いているとすることと整合しているが、T*以下では、Ga(2)(4i site)は2種類に分裂にするため、新たな対称性の低下が起きている。これは最近の偏極中性子散乱が明らかにした秩序モーメントが[11$$delta$$]方向になることだけでは説明できない。T*以下の秩序相について議論する。

口頭

JT-60Uにおけるデジタル信号処理を用いた高速中性子発生分布計測

石川 正男; 糸賀 俊朗*; 奥地 俊夫*; 馬場 護*; 篠原 孝司; 林 孝夫; 助川 篤彦

no journal, , 

JT-60Uでは、スチルベン中性子検出器(SND)を使用して、中性子発生分布計測を行ってきた。しかし、SNDは中性子と$$gamma$$線との弁別機能に優れた特徴を有する反面、内蔵されたアナログ回路を利用して弁別を行っているため、最大計数率は約10$$^{5}$$[cps]に制限されていた。このため、統計誤差が大きく、またダイナミックレンジが小さいなどの欠点もあった。この問題を克服するために、Flash-ADCを用いて検出器のアノード信号を直接デジタル化して保存し、その後ソフトウェアによって中性子と$$gamma$$線との弁別を行うデジタル信号処理(DSP)システムの開発を行った。本DSPシステムをJT-60Uでの中性子計測に適用した結果、従来のアナログ回路を有するスチルベン中性子検出器を用いた測定では計数率が飽和してしまう領域でも、計数率が飽和することなく、より高い計数率領域(これまでの最大計数率は約10$$^{6}$$[cps])での測定に成功した。

口頭

積層三角格子物質LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の磁場中磁気秩序過程

加倉井 和久; 松田 雅昌; 吉井 賢資; 池田 直*; 石井 慶信; 鬼頭 聖*; 山田 安定*

no journal, , 

最近磁気秩序と強誘電性が強い相関を示すMultiferroics系物質の研究が盛んになってきた。LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$も磁気秩序と強誘電性が結合している系として注目を浴びている。今回この磁気秩序過程の磁場依存性を磁場中中性子回折及び磁化測定により検証したので報告する。ゼロ磁場中のc-軸方向に有限なスピン相関を示す低温スピン凍結状態が磁場により抑圧されることを示唆する結果を得た。

口頭

反強磁性体UIn$$_3$$の核磁気共鳴法による研究

酒井 宏典; 神戸 振作; 徳永 陽; 藤本 達也; 青木 大*; 常盤 欣文*; 松田 達磨; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦*

no journal, , 

反強磁性体UIn$$_3$$の純良単結晶を用いて、核磁気共鳴(NMR/NQR)法による実験を行った。反強磁性体UIn$$_3$$の磁気構造については、未だ決定的な実験が行われておらず、磁気構造解明を目的に実験を行っている。今回、常磁性状態において、純四重極共鳴周波数を決定し、ゼロ磁場NQRスペクトルを測定した。当日は、常磁性状態におけるNQRスペクトル,緩和率測定の結果と、反強磁性秩序状態におけるスペクトルについて、報告する予定である。

口頭

揺らぎ交換近似による2次元2軌道ハバードモデルの超伝導の研究

久保 勝規

no journal, , 

電子の持つ軌道自由度は、物性を決める重要な要素の1つであり、特にその磁性への影響は精力的に研究されている。最近では軌道自由度のある系の超伝導についても盛んに研究が行われており、そのような物質を念頭に置いた理論研究もなされている。しかし、超伝導に対する軌道自由度の役割を明確にするためには、比較的簡単なモデルの研究も、いまだ重要である。軌道自由度のある系では軌道が反対称的に組合された電子対を考えると、$$s$$波トリプレットのような偶パリティ・スピントリプレットや$$p$$波シングレットのような奇パリティ・スピンシングレットの状態も可能である。そこで、このような特異な超伝導状態が実現する可能性を探るために、われわれは正方格子上の2軌道ハバードモデルを揺らぎ交換近似によって調べた。その結果、1サイトあたりの電子数$$n$$が1の付近で、$$s$$波トリプレット状態と$$p$$波シングレット状態が現れることがわかった。

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